hitorigoto

200711

うどんの価格
最近、大手食品会社の値上げおよび値上げ発表が続いている。
もちろん、我がすべらんうどん屋も原価は上がっている。値上げしないのかと常連のお客さんは心配してくださる。うどんが一杯300円から400円では、今の原材料の値上がり関係なく、つぶれないのかと心配してくださっているのである。ありがたいことである。私も身内や周りの人にそう言われてずいぶん悩む。だがいつも初心に帰るのである。私は、うどん屋をしたくてうどん屋を始めたのではない。この形状の冷凍麺や乾麺を広めたくて、そのパイロット店としてうどん屋を始めたのである。大手の麺メーカーにうどんの開発や販売をお願いしたら、「岡さん、すみません。同じ土俵で商売はできません」と言われて、魂にスイッチが入ったのである。

くそー、何が同じ土俵で商売ができないや。

そう言われたときにその方に腹は立たなかったが、自分の力量のなさに言葉がでなかった。その時にすべて自分のお金でやるしかないと思ったのである。
あれから5年、横尾商店の亡き専務や天神さんに拾ってもらった。

その精神的に八方ふさがりの時のことを思えば、ちょっと赤字が出たぐらいでくたばるものかと心が奮い立つ。実際ここ
5年、本業ではないので独り者の気楽さからお金はすべてうどんにつぎ込んだ。本業〔惣菜、かまぼこ屋〕の今の親方二人の叔父たちに、「お前、うどんで首つるつもりか」と言われる。「うどんちぎれるやろう、だからうどんで首つられへん」と屁理屈を言う。お金のことさえ考えなければとても楽しい。

そのうちなんとかなると、経った
6年も過ぎてしまった。そろそろ値上げもありかとは思うが、もう少し行く末を考えて行動したい。それにしても世の中の商売人さんや会社を経営している方は大変やろうな。私などは皆に下駄をはかせてもらい助けてもらって、やっとこさ、すべらんうどん屋を運営している。
ああ、幸せものです。
感謝。
(2007.11.10)