◆ 原点 ―「すべらんうどん」からの挑戦
「すべらんうどん」は、スリットが入った短い麺で、箸やフォークに引っかかって“すべらない”という特長から、お年寄りや子ども、外国人にまで食べやすいと評判になりました。大阪天満宮での販売をきっかけに、受験生のお守り的存在としても親しまれています。
しかし、茹でるのに9分かかる麺では、食事をするまでの手間が多く、世間に認知されるまでに時間がかかります。星合茶寮での営業をする際には、3分で提供できる冷凍のすべらんうどんを開発しましたが、理想はすぐに食べることができる「0秒提供」のうどんでした。

◆ 転機 ― 半製品化への模索
「すべらんうどん」をベースにしながらも、長期保存でき、調理法の幅が広がる形を探る中で着目したのが “半製品化”。最初は、うどんを揚げたスナック菓子の開発に着手しました。しかし、乾麺をそのまま揚げると硬くて食べられたものではありません…。さらに、茹でたうどんを揚げるとゴムのような食感でサクサク感はありませんでした。
色々と試行錯誤するうちに、茹でて干し、2週間ほど熟成させたものがサクサクの食感になりやすいことがわかりました。しかし、硬い部分も多く試行錯誤を繰り返す日々が始まります。
煎餅屋に「すべらんうどん」を、サクサクのスナック菓子にできないか相談した際には、乾麺の水分量10%を、5%まで下げないと揚げた時にサクサクにならないと言われ、手っ取り早く膨らまし粉を入れるように勧められました。私たちは、安易に膨らまし粉を使わないと決めて調整を繰り返します。調整を繰り返す中で「麺のポテンシャルはまだまだ広がる」と確信が深まっていったのです。
研究から1年半が経った頃、天満橋にある日本分析化学専門学校に持ち込んで、水分量を調査すると7%まで下げる事ができるようになっていました。

◆ 革命 ―「乾麺革命」の誕生
試行錯誤の末に生まれたのが、すべらんうどんをベースとした新たな半製品 「乾麺革命」。この乾麺革命は、乾麺の水分を閉じ込めた状態で乾燥させることに成功した為、揚げた際は水分が破裂して膨らみ、電子レンジでもポップコーンのように調理できるものとなりました。※製法は現在特許申請中です。
揚げる … サクサクのスナック「すべらんアゲアゲ」に。
レンジ … フレーク状にして牛乳やヨーグルトと楽しむシリアルに。
茹でる … 本来の姿に立ち返り、コシのあるうどんとして味わえる。
この多様な姿こそが「麺の革命」であり、従来の乾麺の概念を超える存在となりました。

◆ 未来 ― 食文化への新しい提案
「乾麺革命」は、単なる保存食でも、単なるスナックでもありません。ひとつの素材から「食べる楽しさのバリエーション」を広げる、まさに未来型の麺。
すべらんうどんの精神「誰にでも食べやすく、楽しめる」を継承しながら、日本の食文化に新しい可能性を切り開いていきます。
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